ピロリ菌

ヘリコバクター・ピロリは胃の粘膜に住む菌で、口から口へ、糞便から排出された菌が人間の手を介して口へと伝わり感染し、一度感染すると駆除は難しく一生生活を共にすることになります。

糞便から出て口へ感染するので、衛生環境が悪いと感染が広がることから途上国では8割の子供が感染しているとされますが、先進国では1割程度に留まっています。

日本での感染者は5千万人と推計されますがほとんどは高齢者で、昭和40年代以降は感染率が低下し若年層では感染率は低下しています。

ヘリコバクター・ピロリ菌には様々な種類があり遺伝子の違いは6%もあるとされますが、人とチンパンジーの違いが1.23%ですので大きな違いがあります。

どの種類のピロリ菌が感染するかは人種によって違い、人間の血液型を認識するタンパク質を持つことから血液型によって感染する菌が違うのではないかと考えられています。

このピロリ菌が問題なのは、胃がんの原因となることが知られ、胃がん患者は健常者よりピロリ菌が存在している確率が高いことが知られています。

またある実験では、動物にピロリ菌を感染させたところ胃がんが発症したことからも関係性が証明されました。

日本では感染者と非感染者について8年間追跡調査が行われ、感染者の3パーセントで8年以内に胃がんが発症したのに対し、非感染者では胃がんの発症はなかったそうです。

ピロリ菌が胃がんの原因となる理由に、細胞の表面に付着するとFSSと呼ばれる針のような構造物をさすからだと言われこれが胃がんの原因となります。

ピロリ菌が胃の表面に付着しこの針を刺すとそこから特殊なたんぱく質を分泌し、その成分が胃の細胞分裂を暴走させ制御不能になり細胞ががん化します。

このように共生している割には害しかないようにみえるピロリ菌ですが、ピロリ菌の感染率の低下に伴い胃の酸逆流疾患増加していることがわかってきました。

この疾患は、胃の上部や食堂が逆流した産生の胃液によりただれてしまう病気です。

関連性はまだ証明されていませんがピロリ菌が胃酸の調整をしているとしたら問題ですので、研究を待ちたいところです。

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