腸内細菌の予防

腸管には人体最大の免疫系

腸管は食物を消化、吸収しエネルギー源とする機能を持つ大切な器官ですが、免疫の関係性からみると腸管は人体で最も大規模な免疫器官とも言えます。

生物にとっての病原細菌やウイルスは口から侵入し腸管に達すると、食物の成分とともに体内に入り込みます。

異物が侵入すると生命に危険があるので、腸管は身を守るため腸管免疫系として機能します。

免疫系を構成しているのは、抗原提示細胞、T細胞、B細胞、抗体です。

これれ免疫細胞の働きは、適応免疫あるいは獲得免疫といわれますが、一方で自然免疫と呼ばれる免疫系があります。

適応免疫が巡回しとすれば、自然免疫が攻撃するともいうべきものです。

適応免疫は抗体を攻撃の武器として用い、自己・非自己、善悪など、様々な分別がなされますが、自然免疫では貪食細胞が侵入者を細胞内に取り込み、これを分解してしまいます。

T、B細胞、そして抗体に関しては、全身の免疫系のなかで骨髄、胸腺を除いて考えた場合、約50%以上のものがこの腸管に集中しこの細胞群が、腸管での病原細菌や病原ウイルスの侵入対応しています。

腸管免疫系

腸管には独特の免疫器官や免疫細胞が存在しパイエル板、粘膜固有層が存在しまた腸管の上皮間にはリンパ球があります。

これらの器官や細胞が、腸管の免疫反応として働きます。

腸管免疫の働き

人間は口から栄養を摂取するのでこれらを安全なものと危険なものに分類します。

腸管免疫系が有用と判断する細菌にはプロバイオティクスと呼ばれる有用な微生物があり、摂取を許し共存します。

一方で危険なものは、病原性の細菌やウイルスで腸管の免疫系は攻撃をします。

しかし、場合によっては安全なものに対しても免疫反応を引き起こし、アレルギーなどを引き起こします。

安全な物に対して許容する事を経口免疫寛容といい、この機能のおかげでアレルギーを起こさず人間は食事ができるのです。

病原細菌やウイルスが侵入すると排除するために、免疫グロブリンA(IgA)がつくり出されます。

免疫グロブリンAはパイエル板でIgAをつくる細胞がつくられ、これが腸管腔を覆っている上皮細胞の下層に移り、そこでIgAをつくり始め、そしてこのIgAが腸管腔に出て、病原細菌の侵入を防ぎます。

このように腸管免疫系は侵入してくる異物のみを除くという働きができるのですが、腸内細菌が大きな影響を与えていると考えられています。

腸内細菌と免疫・アレルギー

腸内細菌は、ほとんどが大腸に生息し総数は約100兆個種類は少なくとも100種類以上であるとされます。

腸内細菌には、大きく分けて善玉菌、日和見菌、悪玉菌があります。

善玉菌は人体に有益で、悪玉菌は人体に有害で、日和見菌は無害ですが、大腸内にバランスよく生息している場合には無害ですが、悪玉菌が優勢になると有害になります。

その腸内細菌のバランスは、個人の免疫遺伝子のタイプが決定要因になるとされます。

また、腸内細菌同士の相性もあり、抗生物質を出すもの、ビタミンなどを出すものもあるので、共生できない菌もいるし、他の菌と共生しなければ生きていけない菌もいます。

宿主である人間の摂る食生活、年齢、ストレスなどにも影響を受けます。

腸内細菌のバランスが最適だと宿主も体調を維持できます。

腸内細菌と病気の予防

腸内細菌のバランスが崩れると免疫力が落ちて多くの疾病を発症します。

免疫系の疾患だと、アレルギー、自己免疫疾患、感染症、がんなどの発症の一因として、腸内細菌のバランスの悪化が考えられます。

また、免疫系疾患以外でも、腸内細菌のバランスの崩れが便秘、下痢などの原因となります。

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