腸内細菌の予防

腸管には人体最大の免疫系

博士博士

腸管は食物を消化、吸収しエネルギー源とする機能を持つ大切な器官なんだけど、免疫の関係性からみると腸管は人体で最も大規模な免疫器官とも言えるんだよ。

にゅうさん子にゅうさん子

食べ物の消化だけではなく防御機能も担ってるのね

博士博士

うん

病原性のある細菌やウイルスは口から侵入し腸管に達すると、食物の成分とともに体内に入り込むんだけど。

異物が侵入すると生命に危険があるので、腸管は身を守るため腸管免疫系として機能するんだ。

にゅうさん子にゅうさん子

免疫系ってどんなものなの?

博士博士

免疫系を構成しているのは、抗原提示細胞、T細胞、B細胞、抗体なんだ。

免疫細胞の働きは、適応免疫あるいは獲得免疫といわれるけど、一方で自然免疫と呼ばれる免疫系があるのは知ってるかい?

にゅうさん子にゅうさん子

んーわからない。

博士博士

適応免疫が巡回し防御するものとすれば、自然免疫が攻撃する方なんだ。

適応免疫は抗体を攻撃の武器として用い、自己・非自己、善悪など、様々な分別がなされるんだけど、自然免疫では貪食細胞が侵入者を細胞内に取り込み、これを分解し破壊するんだ。

T、B細胞、そして抗体に関しては、全身の免疫系のなかで骨髄、胸腺を除いて考えた場合、約50%以上のものがこの腸管に集中しこの細胞群が、腸管での病原細菌や病原ウイルスの侵入対応しているんだよ。

にゅうさん子にゅうさん子

つまり、体の中の警察官ってことね。

腸管免疫系

博士博士

腸管には独特の免疫器官や免疫細胞が存在しパイエル板、粘膜固有層が存在しまた腸管の上皮間にはリンパ球があり、これらの器官や細胞が、腸管の免疫反応として働いているんだよ。

腸管免疫の働き

博士博士

人間は口から栄養を摂取するのでこれらを安全なものと危険なものに分類してるのは解説したね。

にゅうさん子にゅうさん子

でも、体に良い働きをする菌も排除しちゃうんじゃないの?

博士博士

実はそうはならないんだ、

腸管免疫系が有用と判断する細菌にはプロバイオティクスと呼ばれる有用な微生物があり体の中に入れ共存するんだ。

さっきも説明したけど、一方で危険なものは腸管の免疫系は攻撃するんだったね。

にゅうさん子にゅうさん子

はい、自動的に危険なものと必要なものを振り分けてくれてるのよね。

博士博士

しかし、場合によっては安全なものに対しても免疫反応を引き起こし、これをアレルギーと言うんだ。

にゅうさん子にゅうさん子

じゃあ、アレルギー反応って本来は体を守ろうとする反応ってこと?

博士博士

その通り!

例えば安全な物に対して許容する事を経口免疫寛容というんだけど、この機能のおかげでアレルギーを起こさず人間は食事ができるんだ。

これを病原体として反応してしまったのが食物アレルギーってことだね。

にゅうさん子にゅうさん子

体の中では何が起こってるんだろう?


博士博士


病原細菌やウイルスが侵入すると排除するために、免疫グロブリンA(IgA)がつくり出されてね。

このIgAが腸管腔に出て、病原細菌の侵入を防ぐんだ。

このように腸管免疫系は侵入してくる異物のみを除くという働きができるのにも、腸内細菌が大きな影響を与えているんだよ。

腸内細菌と免疫・アレルギー

博士博士

腸内細菌は、ほとんどが大腸に生息し総数は約100兆個種類は少なくとも100種類以上あり、大きく分けて善玉菌、日和見菌、悪玉菌があるんだよ。

善玉菌は人体に有益で、悪玉菌は人体に有害で、日和見菌は無害なんだけど、大腸内にバランスよく生息している場合には無害だけど悪玉菌が優勢になると有害になってしまうんだ。

腸内細菌のバランスは、個人の免疫遺伝子のタイプが決定要因になるとされ、抗生物質を出すもの、ビタミンなどを出すものもあるので、共生できない菌もいるし、他の菌と共生しなければ生きていけない菌もいるんだ。

にゅうさん子にゅうさん子

人間の社会みたいに複雑な環境があるのね。

宿主である人間の摂る食生活、年齢、ストレスなどにも影響を受け腸内細菌のバランスが最適だと宿主も体調を維持できるんだよ。

腸内細菌と病気の予防

博士博士

この腸内細菌のバランスが崩れると免疫力が落ちて多くの疾病を発症する可能性があるんだ。

免疫系の疾患だと、アレルギー、自己免疫疾患、免疫系疾患以外でも、腸内細菌のバランスの崩れが便秘、下痢などの原因となるから注意が必要だね。