乳加工品の歴史

哺乳類の特徴は、親が赤ちゃんを乳で育てるという特徴があり、動物によって期間は様々ですが幼児期は母の母乳だけを飲んで成長します。

そして、人間だけが他の動物の乳を利用して自らの食料にする唯一の動物で、最初に動物の乳を利用したのは6000年前の中央アジアで家畜として飼っていたヤギや羊の乳を利用したのが始めであるとされます。

そして時代は進みおよそ今から2000年前にエジプトでも動物の乳が飲まれるようになりましたが、農耕文化が定着して麦の栽培が始まったころです。

紀元前4000年ころにはメソポタミアで乳牛の飼育、搾乳、乳の加工が行われ、同じ時期の中央アジアではチーズが製造され始めています。

更に時間が進むとこの乳文化はトルコやギリシアに広まり、文明の交流によりヨーロッパ全土へチーズの製造法が伝わっていきました。

日本では奈良は平安時代に酪と呼ばれる乳加工品が伝わりましたが一般には普及せず、本格的に日本に乳加工品の消費と製造が定着したのは19世紀に北海道でチーズの製造が始まってからです。

チーズ

チーズは牛乳、脱脂乳、クリーム、ヤギの乳などを原料に乳酸菌と凝集酵素を加え、できたものからホエーを除去して完成します。

凝集酵素とは、講師の第四胃で分泌される凝固酵素でレンニンと呼ばれ、乳酸菌の発酵により生成された乳酸の存在下で乳に加えると乳を凝固する働きがあります。

昔は子牛の胃から取り出していましたが、現在はカビの一種であるムコール・プシルスと呼ばれるカビの酵素が乳を凝固させる性質を持つことが発見され、製造に使われています。

チーズの製造プロセスは、原乳の殺菌→冷却→ろ過→乳酸菌スターターの添加→凝固酵素の添加→ホエーの除去→加塩→型詰と圧搾→熟成となります。

最後の塾生の時に乳酸菌が増殖し代謝することでチーズに特有の風味が生まれます。

チーズの種類によっては、熟成に乳酸菌以外の微生物を用いるものがあり、フランスのカマンベールチーズでは青カビであるペニシリウム・カマンベルティを使い、スイスのエメンタールチーズではプロピオン酸菌を使い特有の風味を生み出しています。

日本国内ではチーズの生産量は約2万トンで、その4倍の量がデンマーク、オランダ、オーストラリアから輸入されています。

バター

牛乳からクリームを脂肪含有率30%で取り出し、これを撹拌することで脂肪粒子を包む膜を壊し、露出した脂肪粒子を固めたものがバターです。

原料となるクリームは発酵させないものと、乳酸菌で発酵させたものがあり発酵させる場合はストレプトコッカス・ラクチスとロイコノストク・シトロボルムが使用されます。

世界で生産されるバターは年間280万トンで、日本では6万5000トンが生産されています。

ヨーグルト

原料乳に乳酸菌を添加して発酵させ、乳酸により乳の中に含まれるたんぱく質を凝固させたものがヨーグルトです。

ブルガリアのヨーグルト文化に注目したメチニコフによりこの食品が健康に良いことが世界に広められました。