日本食の中での漬物は無くてはならない存在ですが、漬物を発酵の有無で分類すると、微生物の関与がない無発酵漬物と微生物が関与する発酵漬物、微生物の発酵生成物を利用した漬物の3種類があります。

無発酵漬物には梅干し、紅ショウガ漬けなどがあり、発酵漬物には野菜の粕漬け糠漬けがあり、発酵生成物を利用したものには麹付けや味噌漬けがあります。

そして、世界には様々な種類の漬物が存在します。

ザワークラウト

ザワークラウトはドイツの漬物で「酸っぱいキャベツという意味があり、英語ではサワークラウトとも呼ばれます。

ザワークラウトの作り方は洗ったキャベツを短冊状に切り陰干しした後、塩でもみながら樽に入れて発酵させます。

蓋の上に重しを載せて1か月ほど発酵させると中で乳酸菌による発酵が起きて酸味のある漬物ができあがります。

酸味の元となる乳酸の濃度は1.5%前後となりすっぱい発酵野菜となることから脂っこい西洋の料理にはぴったりな味になります。

ピクルス

キュウリ、トマト、玉ねぎなどを乳酸発酵させてつくる漬物がピクルスで、日本でも食卓の定番になりつつあります。

ディルピクルスは、野菜を食塩水、酢、スパイスなどで漬け込んだもので、ピクルスの中でもメジャーな存在です。

ザーサイ

中国の漬物と言えばザーサイですが感じでは搾菜と書き、四川省が発症の漬物です。

大芯菜を原料として葉は取り除き茎を縦割りに切った後天日に干して乾燥させます。

乾燥させたものを白酒で塩を8パーセントの濃度で1週間漬け込み下漬けとします。

下漬けされたものに香辛料を加え5パーセントの塩分で1年間発酵させながら漬け込んで熟成させ完成品となります。

この発酵・熟成過程では乳酸菌や酪酸菌が発酵を手伝います。

キムチ

日本の食卓でも定番となった韓国の漬物がキムチです。

白菜を縦に4つに割り2パーセントの食塩で一晩漬けて下漬けとします。

本漬けではトウガラシ粉、ニンニクすりおろし、しょうがのしぼり汁、小魚や小エビの塩辛などを混ぜて食塩を加えて漬けます。

このように漬けたものを3日間程度漬け込むことで乳酸菌による熟成発酵がおこり独特の風味となります。

漬け込みに使う魚介の知るには各家庭で秘伝があり、するめや貝柱などだし汁を使うものまで様々あります。

日本の漬物

日本の発酵食品である漬物は世界有数の豊富さを誇り、その歴史も深く縄文時代には既に存在していたとされます。

これが奈良時代になるとナズナ、わらび、せり、あざみ、ふきなどの山菜や瓜、ナス、みょうがを塩、味噌、醤油、酒粕などで漬け込んだ漬物が書物にも登場します。

日本で漬物などの発酵食品が様々誕生した理由は、味噌、醤油、麹、酒粕、糠などの漬け床となる調味料が揃っていたのと野菜や魚介などが豊富にとれた風土が可能にしたものと思われます。

日本の漬物で微生物による発酵を利用したものは、糠漬けや塩漬けがあります。

漬物の発酵に利用される菌としては、耐塩性を持つ乳酸菌や酵母があり、これらの菌は有機酸や硫黄化合物を産生することから独特の風味を食品に与え、食品の防腐効果を高めています。

漬物の発酵に利用される酵母は、アルコールやエステルを生成し、食品に香味を与えています。

日本の漬物で最も家庭に親しみのあるものと言えば糠味噌ですが、この糠味噌1グラムには3億個の乳酸菌や酪酸菌、酵母菌が含まれているとされます。

糠味噌の原料の米ぬかには発酵微生物にとって生育に必要な炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミンなどが豊富に含まれるのです。

ビタミンは漬物に吸着され、発酵により生成されたビタミンも含まれることから栄養価の高い食品として古くから日本人のビタミンの補給源となってきました。

糠漬けは連続発酵が可能なので、上手に手入れをすれば常に新しい野菜を漬物にすることが可能な便利な漬物でもあります。