醤油は東アジア全域で使われる一般的な調味料ですが、日本には弥生時代から大和時代に伝来したとされ、平安時代には広く一般に普及しました。

古来日本では穀物を原料にしたもの、肉を原料としたもの、魚を原料としたものがありましたが、魚を原料としたものが最も普及していました。

この魚醤と呼ばれるものは中国南部や東南アジアなどで古来から使われている調味料で、蝦や魚を原料に調味料が作られているので、日本に伝来したものは魚介類の発酵物として伝わったのではないかと考えられます。

日本の醤油づくりには麹カビが使われ、この麹カビは植物性タンパク質を良く分解する酵素を持っており、うまみ成分であるアミノ酸を多く生成されことから、醤油に独特の風味を与えています。

醤油が製造される時は、麹カビ、酵母、乳酸菌などの微生物が発酵に使われます。

蒸した豆と煎った小麦を麹菌を混ぜて麹室でおくと、麹カビが増殖して醤油麹ができます。

醤油麹の中には麹カビの産生したタンパク質を分解する酵素が多く含まれ、発酵する時に原料に含まれるたんぱく質を分解し、アミノ酸を産生します。

醤油麹に食塩を加え水を加えて桶に配合したものを諸味と言いますが、諸味は麹に付着している耐塩性の酵母や耐塩性の乳酸菌が増殖し発酵がおこります。

一年間ほど発酵・熟成を行っている間、これらの微生物がアルコールや有機酸を産生し醤油特有の風味が出来上がるのです。

醤油諸味には18%程度の塩分を含むのでほとんどの微生物は死滅し発酵に役立つ微生物だけが残ります。

現在の醤油製造では、純粋培養した耐塩性酵母や乳酸菌を諸味の段階で添加して製造期間を短縮させています。

東アジアには、中国の醤、朝鮮のカンジャン、タイのナンプラ、フィリピンのパティ、ベトナムのニョクマムなどの醤油がありますが、製造方法は日本のものとは大きく違いがあります。

東アジアから日本に伝わった醤油ですが、2000年間の期間で日本独自のものに進化を遂げたのです。

日本の醤油はソイソースとして欧米でも使われるようになり、年間一万キロリットルの醤油が世界に向けて輸出されています。