食酢は英語では、ビネガーvinegarと表記されもともとの語源は酸っぱい葡萄酒という意味があります。

酒のアルコールを酢酸菌で酸化発酵すると食酢になりますが、発酵のほとんどがブドウ糖を分解するのに対して、酢酸菌はアルコールを分解し発酵します。

空気中には目には見えませんが多くの酢酸菌が浮遊しており、酒類の保管を間違えると簡単に酢になってしまいます。

偶然できてしまった酢ですが、現在は食用の酢が工業製品として生産され様々な料理に使われています。

一般的な食酢はアルコール酢で、最も製造に使われる酢酸菌がアセトバクター・アセチ菌でこの酢酸菌は、アルコールを参加させて酢酸酢を発酵生産しています。

酢酸を工業的に生産する方法は、発酵塔を利用する速醸法と呼ばれる生産方法が主流で、10パーセントのアルコールを原料に10日程度の発酵によりすべて酢酸になります。

この方法より発酵の効率を著しく高め、発酵時間を短縮させた方法が深部培養法と呼ばれる発酵方法です。

これは、発酵タンクの真ん中に回転翼を設置し回転させることで無菌空気の泡を作り出し、これにアルコールを含む発酵液を添加して混合させることで、酢酸菌の酸化発酵を促進させる方法です。

その他、ヨーロッパでは麦芽酢や果実酢などがあります。

麦芽酢はアメリカでは主流で大量に生産され、大麦、小麦、トウモロコシなどの澱粉原料を麦芽で糖化させ麦芽糖をつくり、これを酵母で発酵させた後、酢酸菌で発酵させ作ります。

果実酢は、ブドウやリンゴの果汁を酵母により発酵させ果実酒を作り、果実酒を酢酸菌で発酵させ作るので果実の香味が酢にも反映されます。

日本の酢は、米酢が主流で奈良時代から作られた伝統的な調味料です。

蒸した白米に麹を加えて糖化して、これを酵母で発酵させ酒を造り、これに酢酸菌を加えることで酢酸発酵させ作ります。

他にも、酒粕に含まれるアルコールを酢酸菌で発酵させ酢を作る方法もあります。

日本食にとって酢は欠かすことのできない調味料で、最近では黒酢やリンゴ酢などが健康に良いことから健康食品としても飲まれています。