保存機能

乳酸菌が病原菌や腐敗菌の増殖を抑制することは昔から知られており数々の食品に保存目的で使用されてきました。

これは、乳酸菌が活動する中で生成する抗菌性物質がその他の細菌の生育を妨げるのがそのメカニズムなのです。

この抗菌物質は食中毒菌である黄色ブドウ球菌にも有効で、人為的に黄色ブドウ球菌を105/mlとなるように接種した脱脂乳に乳酸菌の脱脂乳培養を1%量添加して30℃で培養すると黄色ブドウ球菌は減少しやがて消滅します。

黄色ブドウ球菌は、乳酸菌が増殖すると脱脂乳が酸凝固する頃から急速に死滅しほぼ完全に抑えられると言って良いでしょう。

黄色ブドウ球菌だけでなく乳酸菌が制菌効果を示すことが確認された有害細菌としては、ブドウ球菌、リステリア、サルモネラ、エルシニア、ビブリオなどその他の食中毒に関係する病原菌や腐敗菌にも同様の効果が望めます。

有害細菌に制菌効果を発揮する乳酸菌は、ラクトコックスだけでなく、ストレプトコックス、エンテロコックス、ペディオコックス)、ロイコノストック、ラクトバチルス、カルノバクテリウムに属する多くの菌種の乳酸菌があげられます。

また、ビフィズス菌にも強い制菌効果があり、特に腸管内で有益な働きを示します。

これら乳酸菌の持つ殺菌作用は食品加工・貯蔵に用いられてきていますが、細菌では乳酸菌の制菌作用にクポットライトがあてられ新しい食品保蔵法を開発する動きが広がっています。

乳酸菌のナイシンや乳酸、過酸化水素の応用例が多く冷蔵条件下でも増殖する低温発育性食中毒菌を抑制する事が期待されています。

乳酸菌は、加熱殺菌できない生鮮食品や調理済み食品の安全性と保存性を高めるために有用な保存方法であると言えます。

食品加工以外の乳酸菌の利用

乳酸菌の生成する多糖は既に多くの場面で利用されており、血漿増量剤、抗血液凝固剤、ゲル濾過材、食品添加物、化粧品の保湿剤などに用いられています。